昨季の残留争いにも根底を覆さなかった継続性
つまりボルシアMGに対するドルトムントの快勝を支えた要素の一つに、クロップからトゥヘルという「固有の」連続性を上げることが出来るだろう。それはBVBの特徴だった、クロップ監督とヴァツケ社長とツォルクSDによる首脳陣の結束が失われていないことも意味する。
監督の名前がトゥヘルに変わっただけだ。それもまた引き継がれた強固な土台である。残留争いを経験したからこその、現在のドルトムントの強みとも言える。
ツォルクSDは、バイグルについては「BVBの未来」として長期のプランを立てている。このようにチームコンセプトを維持しつつも、長期的な展望を描いて、BVBのサッカーを前進させようとしているのだ。
今週20日のヨーロッパリーグのプレーオフのオッズ戦と、23日のリーグ戦のインゴルシュタット戦について、ヴァツケ社長は「それらの試合でチームは次の一歩を踏み出さなくてはならない」と述べている。
ボルシアMG戦の結果に対してトゥヘルは「予想外」とも話したように、また「花火」が打ち上げられるかどうかは分からない。しかし残留争いに苦しんだからといって根底を覆さなかった継続性が、初戦で結果を残したとも言える。
そう考えれば、少なくともオッズ戦とインゴルシュタット戦では、ボルシアMG戦の衝撃が尾を引く可能性は高い。
矢は、放たれたのだ。
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