ゲーゲンプレッシングに異なる味付けを施した新監督
『キッカー』紙は、ドルトムントのサッカーについては次のように記している。
「このプロセス(プレシーズン)で41歳のボルシア・ドルトムントの指揮官は全てを変えてはいない。しかし最も効果的な方法で異なったスタイルの要素を相互に結び付けた:ユルゲン・クロップのゲーゲンプレッシングと、ポゼッションフットボールの固有のパフォーマンスとを、である」
ここで「ユルゲン・クロップ」の名が記されているように、前監督が残していった遺産は、なおドルトムントに息づいている。ボルシアMG戦の後では、「ユルゲン(・クロップ)が成し遂げた驚くべき仕事を抜きにしては、今日の試合で我々が勝つことは出来なかった」とトゥヘルは言う。
確かにクロップは昨シーズンに残留争いを演じたが、過去数シーズンに渡って広く眺めてみれば、「ゲーゲンプレッシング」を土台にCLの決勝進出といった「驚くべき仕事」をやり遂げた。
そしてトゥヘルは土台を引き継ぎつつ、「ポゼッションフットボール」という「異なった」味付けを施した。昨季に苦しんだ引いた相手を崩しにかかるために。
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