ドイツ国内でも大きな話題となった開幕戦
衝撃は尾を引いた。2015年8月16日付の大衆紙『ビルト』日曜版は「トゥヘルの花火」と大きく見出しを付けた。ブンデスリーガの開幕戦で、ドルトムントがボルシアMGを4-0で下した翌日のことだ。
『ビルト日曜版』は、ドルトムント対ボルシアMGの一戦を「マッチ・オブ・ザ・デー」に選出する。残留争いに苦しんだ昨季も同コーナーで毎週のように取り上げられたが、ほとんどは「あのドルトムントがこんなにも勝てない」といった論調だった。
16日付の『ビルト』日曜版は、そんな鬱屈を吹き飛ばすかのようである。同紙は「新しいBVBの指揮官によるアクセル全開のスタート」と記している。
しかし、開幕戦でドルトムントがボルシアMGを相手に叩き出した4-0という結果と勢いは、一過性に終わることはないのだろうか。クロップが率いた昨季は2月になんとか上昇気流に乗った。しかし3月にはまた萎んでしまう。一夜で終わってしまう花火のように、しばらくは初戦のインパクトが途絶えることはないのだろうか。
快勝から二夜明けた17日付の『キッカー』紙は、「ドルトムントはスターティングブロックから放たれた矢のようである」と記している。『ビルト』日曜版のように、BVBに対する評価は華々しい。「グラッドバッハはBVBにただ転がされるボールだった」、「バイグルはベッケンバウアーのようにエレガントである」といったように、威勢の良い言葉が並ぶ。
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