「今までの自分だったらトラップしていたが、思い切れた」
「初ゴール、起点、流血」
その時は来るべきして訪れた。プレミアリーグ2試合目、時間にして117分目で岡崎慎司はリーグ参戦後初ゴールを挙げたのである。
開幕戦終了後には「次の試合ではゴールを決めたい」と話していた岡崎は、この日もキックオフと同時に積極的にプレスをかけ、守備のタスクをこなしてチームへ貢献する。しかしその一方で、前節よりも意識的にゴールに近い位置で動いているような印象を受けた。
立ち上がりから20分ごろまでは、ウェストハムペースで試合が続いた。だが26分、右サイドのリヤド・マレズがドリブルでエリア内にボールを持ち込み、GKの至近距離から強引にシュート。
これはGKにあっさりと阻まれるのだが、マレズの数メートル左には、タイミングよく走りこんだ岡崎がフリーの状態で待っていた。独善的なプレーの目立つアルジェリア人からパスが出ず、岡崎は大きなアクションで悔しさを表現した。
だがその約1分後には、喜びを爆発させる岡崎の姿を目の当たりにすることになる。左サイドを上がったジェイミー・バーディーが、DFの頭を抜く絶妙クロスを上げると、中央に走りこんだ岡崎は右足のアウトサイドで見事なボレー。
簡単なテクニックではないが、「今までの自分だったらトラップしていたが、思い切れた」と振り返った。GKが素早く反応しファインセーブを繰り出したものの、「見えていた」と落ち着いて頭で押し込んだ。
念願のプレミア初ゴール。歓喜の瞬間である。岡崎はチームメイトにもみくちゃにされながら、満面の笑顔で喜んだ。試合後のクラウディオ・ラニエリ監督も、期待のストライカーの初得点に「とても嬉しい」と笑顔を見せた。