後方で試合をコントロールしたフンメルス
フンメルスについて、香川は「今日は前半から彼との感覚が良かった」と言う。しかしそう感じたのは香川だけではないだろう。先制点をアシストした香川にパスを入れたのはフンメルスだったが、追加点をアシストしたシュメルツァーにボールを送ったのもフンメルスだった。
主将は後方で手綱を握り、ゲームをコントロールした。ボルシアMGとは対照的に、昨季の開幕戦に開始9秒で先制を献上したようなDF陣の不安定さは、見る影もない。
フンメルスは「シーズンの偉大なスタートだ」と胸を張る。32分にはカウンターにオーバメヤンが快足で抜け出して、右からの折り返しをムヒタリヤンがきっちり決めた。3-0。
ボルシアMGの指揮官ファブレは「ハーフタイムの時点で0-3は重過ぎた」と言葉を残した。つまり勝負は、前半を3-0で折り返した時点で決まっていたのだ。
そしてこの「偉大なスタート」に、香川真司は重要な役割を果たした。香川はバイタルエリアで、幻のゴールの場面にしろ、先制の場面にしろ、ボルシアMGの急所を突くパスを供給し続けた。
26分のカウンターでは、ギュンドアンからのパスをワンタッチでロイスの前に落としている。絶妙だった。49分に生まれた4点目の場面では、アシストしたロイスは、香川のパスで右サイドを抜け出している。
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