東京Vでゴールを量産する高木大輔
ぶ厚い胸板。競輪選手のようにパンパンと張った太ももとふくらはぎ。ユニホームを着ていても、重厚な筋肉の鎧を身にまとっていることがわかる。
体幹トレーニングやウェイトトレーニングのノウハウを積極的に学び、計画的に鍛え上げてきた170cm64kgの鋼のボディ。高木大輔自身は「見せかけのものですよ」と謙遜するが、努力の賜物として搭載された強さと無尽蔵のスタミナは、いまやヴェルディを快進撃させる源となっている。
自ら「大好き」と公言してはばからないフォワードで、今シーズン初先発を果たしたのが7月18日のギラヴァンツ北九州戦。開始5分で叩き込んだ大輔の決勝ゴールとともに幕を開けた連勝は「5」に伸び、チームは3位へ急浮上。2位のジュビロ磐田に勝ち点2差にまで肉迫した。
破竹の連勝中で大輔は4度も先制ゴールをマーク。8日の横浜FC戦ではキックオフからわずか57秒でヘディング弾を、24分には左足で2点目を決めて、大量6ゴールでの快勝劇を導いた。
「自分でも出来すぎと思うくらい。何がこんなに僕を調子よくさせているのかわからない」
1試合で複数ゴールを決めたのは、プロ3年目で初めて。試合後には再び謙遜した大輔だが、まさに「打ち出の小槌」のような高い決定力よりも、さらに対戦相手の脅威になっている武器がある。
2トップを組む163cm、61kgの杉本竜士とともに、前線からプレッシャーをかけまくる。まるで陸上短距離のスプリンターのようにダッシュを繰り返し、相手のボールホルダーを追い込んでいく。