リーグ優勝へ。鍵を握る2つの「現実」
黒星発進となったアーセナルに関しては、ソーシャルメディアでも国内紙でも“リアリティ・チェク”との表現が目についた。チェフ(Cech)の英語読みと「リアリティ・チェック(現実把握)」をかけて、GKが変わっても守備の乱れは変わらないと茶化されたわけだ。
しかし、チェフはクロスに無謀な飛び出しを見せる判断ミスを繰り返すようなGKではない。2失点は、対セットプレーのマークとゴール前のクリアを怠ったDF陣により問題があるが、こうした集中力の問題は昨季中から解消の方向に向かっていた。
リーグでの36失点は過去7年間でチーム最少の数字。今季開幕前週にチェルシーと対戦したコミュニティシールドでは、堅守自慢の敵のお株を奪う1-0で勝利を収めたばかりでもある。
リーグ優勝に向けて強化を最も意識すべきは、開幕戦でミスが脚光を浴びた守備ではなく、見るべきところなく終わった攻撃。その攻撃を信条とするヴェンゲル監督が、移籍市場とベンチワークの双方で積極姿勢を示せばチームはリーグ優勝の有力候補に化ける。それがアーセナルの「現実」と見る。
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