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開幕戦黒星のアーセナル。ヴェンゲルに突き付けられた2つの「現実」

text by 山中忍 photo by Getty Images

駒不足の1トップ事情

開幕戦黒星のアーセナル。ヴェンゲルに突き付けられた2つの「現実」
1トップとしては頼りないオリヴィエ・ジルー【写真:Getty Images】

 その一環として、オリヴィエ・ジルーを控えに回す新エースの獲得が望まれる。理想を言えば一線級の守備的MFも欲しいが、中盤の底には昨季にフランシス・コクランの台頭を見た。

 ベテランのミケル・アルテタも長期欠場から復帰。2ボランチの相棒には、アーロン・ラムジー、ジャック・ウィルシャー、そして昨季センターハーフ起用が奏功したサンティ・カソルラという選択肢もある。

 ところが1トップ事情はというと、ジルーの他はFWで「試用」されるセオ・ウォルコットと、怪我もあって伸び悩むダニー・ウェルベックという駒不足。昨年のアレクシス・サンチェス、2年前のメスト・エジルに続いて巨額の移籍金を要する補強箇所としてはCFを優先すべきだ。

 現時点で頼みのジルーは、肝心の決定力が年間20得点以上を確約するレベルにない。ポストプレーでためを作ることはできるが、一気に飛びだすスピードや、巧みにマークを外すクレバーな動きがあるわけではなく、組織として守れる敵には消されやすい。先のウェストハム戦が最新例だ。

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