子どもたちだけでなく、大人たちにも大きな収穫となった
一方、現場の指導者はどう見ていたのだろうか。MIT賞を獲得し、全体での順位も3位相当だった山梨県トレセンの帯同指導者である高山洋平さんは「選手たちのプレーぶりは完全に予想以上でした。みんな良い経験になったと思いますが、ヴァンフォーレの子たちはこういう長い遠征の経験も多いですし、強豪との対戦経験も豊富なんです。でも、そうではない選手にとってものすごく大きな財産になったと思います」と、選抜チームという枠組みで行う大会の意義を実感したと語る。また「僕ら指導者にとっても、本当に良い勉強になりました」というコメントも残した。
選手たちも試合を通じて友達を増やしていった様子で、最終日にはチームをまたいで交流する姿も多く観られた。3日目に行われたクワトロゲーム(4対4、GKなしでのミニゲーム)ではさまざまな地域の選手たちが入り乱れる形でチームが組まれたこともあり、大きな刺激を受けることとなった。
「青森のあいつ、マジで上手かった」「大阪の10番のドリブルがホントにすごい」なんて会話も聞こえてきて、選手たちが受けた刺激の大きさがよく分かった。全国大会とは無縁のチームにいる選手も含めて「全国レベル」に触れる経験は大きな財産となることだろう。
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