再びCLの舞台に返り咲けるか
しかしフォーメーションは手段に過ぎない。トゥヘルは「システムは重要ではない」と言う。ケムニッツ戦の後では香川も「監督の指示の中で、あとは個人の、その試合の状況に応じてやっていくと思います」と述べている。
またフンメルスは「自然に体が反応して90分間安定してプレー出来るようになるにはもう少し時間がかかると思う」とも言っている。つまりプレシーズンを通して土台は出来上がったが、トゥヘルのサッカーを90分間通して表現するには、まだまだ実践の場を踏んでいく必要があるということだ。
また準備期間には公式戦を含めて10勝1敗の好成績を残したが、ユベントスを除けば、本当に強い相手とはテストマッチを行っていない。だからこそ土台をじっくりと組み上げることが出来た。
しかしフンメルスの言うような多少の脆弱性を含む中で、CLクラスの相手と公式戦で当たったときにどうなるのかは、まだ未知数のところがある。
トゥヘルの下で90分間安定してプレー出来るようになったときに、ドルトムントが再びCLの舞台に返り咲いているのかどうか。いずれにせよボルシアMGとの開幕戦は、その方向性を示すだろう。
あるべき場所に戻るための旅は、始まっているのである。
【了】