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香川真司 9年前

開幕目前。再びあるべき場所へ、いまだ未知数も新たな旅を始めたドルトムント。その新スタイルとは

text by 本田千尋 photo by Getty Images

再びCLの舞台に返り咲けるか

開幕目前。再びあるべき場所へ、いまだ未知数も新たな旅を始めたドルトムント。その新スタイルとは
マッツ・フンメルス【写真:Getty Images】

 しかしフォーメーションは手段に過ぎない。トゥヘルは「システムは重要ではない」と言う。ケムニッツ戦の後では香川も「監督の指示の中で、あとは個人の、その試合の状況に応じてやっていくと思います」と述べている。

 またフンメルスは「自然に体が反応して90分間安定してプレー出来るようになるにはもう少し時間がかかると思う」とも言っている。つまりプレシーズンを通して土台は出来上がったが、トゥヘルのサッカーを90分間通して表現するには、まだまだ実践の場を踏んでいく必要があるということだ。

 また準備期間には公式戦を含めて10勝1敗の好成績を残したが、ユベントスを除けば、本当に強い相手とはテストマッチを行っていない。だからこそ土台をじっくりと組み上げることが出来た。

 しかしフンメルスの言うような多少の脆弱性を含む中で、CLクラスの相手と公式戦で当たったときにどうなるのかは、まだ未知数のところがある。

 トゥヘルの下で90分間安定してプレー出来るようになったときに、ドルトムントが再びCLの舞台に返り咲いているのかどうか。いずれにせよボルシアMGとの開幕戦は、その方向性を示すだろう。

 あるべき場所に戻るための旅は、始まっているのである。

【了】

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