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日本代表 9年前

佐々木監督が東ア杯で見つけた“発見”。国際経験積んだヤングなでしこ、リオへと続く道のり

text by 河治良幸 photo by Getty Images

国際舞台での経験が乏しい“ヤングなでしこ”

 2012年の夏に日本で開催されたU-20女子W杯で3位に躍進した“ヤングなでしこ”のメンバーも、ある選手は所属クラブでポジションを獲得できず、ある選手は怪我に泣き、またある選手はA代表に招集されたものの、そこで結果を残せず定着できなかった。また猶本光、田中美南ら94年組は2013年のU-20W杯を目指したが、予選敗退を経験している。

 女子W杯の直後、しかも欧州組を招集しにくく、なでしこリーグでも若い選手たちが存在感を強めてきたタイミングだけに、佐々木監督にとってもまたとない“実験の場”が用意されたと言える。

 23人中、92年以降の生まれの選手は10人。そのうち12年のU-20W杯メンバーはシルバーボール(準最優秀選手)を獲得した柴田華絵(初招集)をはじめ猶本、田中美、横山久美、武仲麗依(初招集)の5人。さらに同大会を怪我で棒に振った京川舞、選外だった杉田亜未、大会初戦の直前に怪我をし離脱してしまった94年生まれの村松智子(初招集)、さらに下の95年生まれから増矢理花、GKの山下杏也加(初招集)が名を連ねた。

 ドーピング問題でW杯の出場資格が無かった北朝鮮はさておき、韓国と中国はカナダを経験したメンバーが主体だったが、その当時から日本より若手の比率が高かった。そのため佐々木監督は日本がフレッシュなメンバーで臨んだとは言っても、実はそこまで年齢差が無いということを自覚している。とにかく日本の若手選手に不足しているのは国際経験だ。

 これまで2013年のアルガルベ杯など、新戦力のテストがされなかったわけではないが、なかなか結果が出ない中で2015年のW杯が迫り、再び従来の主力で固められていった事情もある。結果としてカナダでの準優勝につながったわけだが、佐々木監督としては周囲のプレッシャーに関係なく、もう少し辛抱強く国際経験を積ませていたらという思いも少なからずあるだろう。

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