デビュー戦で存在価値を示した岡崎
先日のサンダーランドとの2015/16シーズン開幕戦。結論から言うと、念願のプレミアリーグデビューを果たしたレスターの岡崎慎司は、とりあえずプレミア級の選手であることを証明した。
ブンデスリーガで5年間プレーして、直近の2シーズンは連続して二桁得点を挙げたストライカーである。個人的には、ひいき目なしにイングランドでも通じるタレントだと以前から感じていた。
しかしながら、昨夏から岡崎獲得を画策していたナイジェル・ピアソンがシーズン前に監督を解任され、クラウディオ・ラニエリが新監督に就任。英国内のサッカー関連メディアが考える予想布陣では、岡崎を3、4番手の位置づけとする内容が多かったのはそういった流れもあったからだ。そのため岡崎は限られた時間を有効活用して、アピールしていく必要があると考えられていた。
だが蓋を開けてみると、開幕戦に右FWで先発フル出場を果たす。役割はCFではなく、イングランド代表FWジェイミー・バーディーのサポートをするセカンドストライカー。この試合では得点・アシストはなかったが、ラニエリ監督が「慎司はバーディーや中盤の選手たちと上手くリンクしていた。私が彼に要求したプレーでもあった。あれは慎司だからできる仕事で、本当によくやった」と手放しで喜んだ。
マインツ時代の点取り屋のイメージはなりを潜め、この日の岡崎は、献身的な動きでチームに特大の貢献をした。攻撃面では前述の通り、バーディーや中盤の選手との連携が冴えた。
例えば前半アディショナルタイムにボールを受けた場面。一度溜めてから、ヒールパスを出して中盤から走りこんだダニー・ドリンクウォーターが強烈なシュートを放った。もしくは後半12分。バーディーからボールをもらうと、岡崎はすかさず後方のドリンクウォーターに戻し、そこからのスルーパスが前線につながり好機を演出した。
どちらも惜しくもゴールにはならなかったものの、監督の求めるプレーをやり遂げて存在感をアピールした。また同時に、精力的にファイナルサードで動き回り敵のDFが嫌がるところに顔を出し続けている。