フンメルスが抱いた「危機感」
フンメルスは「前半の内容は本当に良かった」と振り返った。23分にオーバメヤンがエリア内でシュートを打ち、39分にピシュチェクのクロスにロイスが頭で合わせるなど、BVBには先制点以外も決定機を作り出した。一方で、フンメルスは「僕たちは今日の後半のパフォーマンスに満足していない」と話している。
ドルトムントは最終的に2-0で勝利した。81分に、オーバメヤンからのパスを、エリア内の左でムヒタリヤンがダイレクトで右隅に流し込んで、決勝点を挙げている。2-0。
ポカールの1回戦で快勝を収めたように見えるが、フンメルスの危機感が緩むことはない。74分にレーニングがグラウンダーのシュートを打ったFKは、ゴールポストのわずか左に外れた。あわや同点の場面だった。
香川は「まだ始まって1ヶ月で、監督の色がなかなか出しづらい中で、そこでいきなり結果もそうですけど、パーフェクトな試合内容を運ぶのは難しい」とも言っている。それでも「今は勝つことが大事」であるのは、自信のような、勝つことでしか得られないものがあるからだろう。今まさに進んでいる道筋に対する手応えとも言える。
つまりフンメルスは、「とにかく勝利を重ね」なくてはならないが、故に危機感を抱いているのではないだろうか。
昨季の悪夢を払拭するためにも、ドルトムントは1つ1つの試合で、勝利を積み重ねようとしているのである。
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