球際と1対1の強さ。安定感をもたらしたダブルボランチ
山口蛍（左）と遠藤航（右）【写真：Getty Images】
日本中を失望させた今大会だったが、前述の通り、武藤や米倉ら新戦力発掘、あるいは試合を追うごとの攻守両面での前進という意味ではポジティブな要素も確かにあった。
その最たるものが、遠藤航と山口蛍のダブルブランチではないだろうか。球際と1対1に強い2人が並んだことで、日本の中盤は格段に安定。武藤を含めたトライアングルもうまく機能した。
「蛍の運動量はホントにすごいし、相手をつぶしてくれますし、航も対人の部分がすごく強い。それに加えて彼らはボールをつけることもできるんで、僕としては後ろに2人がいてくれて心強いなと試合中にも感じてました」と幅広い動きで躍動した武藤も語っていた。
中国戦の彼らは遠藤がやや下がり目、山口が前目という位置関係でプレーすることが多く、山口が主にゲームメークを担った。彼自身も北朝鮮戦でタテへタテへと急ぎすぎた反省から、この日はボールを落ち着かせたり、攻撃に直結するタテパスを入れたりと、より試合の流れを作る意識を持ってプレーした。
「航とはバランスは悪くないし、2人で話してボールもつなげてたとは思う。自分も今までの代表の時より前に行く回数も多かった。試合をやるにつれてどんどん前にも行くようになったし、シュートチャンスにも絡めるようにもなった。そこは自分もよくなってきたかなと。正直、プレー内容的にはMVPになった2年前の前回より自分らしさを出せたのかなと思う」と山口自身、遠藤が背後にいる安心感を感じながら攻めに参加していた。
遠藤の方も「蛍君がすごい運動量豊富に走ってくれるんで、自分も負けないようにしっかり球際行くことを意識したし、1人が行ったら1人がいかないところの関係性はよかったと思う」
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