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日本代表 9年前

「全てはヴァイッドの責任」。張られた予防線。中国戦は更なる新戦力テストか。指揮官の真意とは?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「準備期間が最低でもあと2日あれば北朝鮮に100%勝っていた」

 この日の取材対応前には「報道陣の質問は一問だけ」と日本代表メディアオフィサーに言っていたという指揮官が、堰を切ったように自分の考えを矢継ぎ早に喋ったのは、中国に引き分け以下で最下位に沈むという最悪の事態を想定してのことではないか。

 2003年から始まった東アジアカップの歴史を振り返ると、2003年(日本)、2005年(韓国)、2008年(中国)は2位、2010年(日本)は3位、2013年(韓国)は優勝と最下位は過去に一度もない。

 その不名誉な結果が現実になってしまえば、就任したばかりのハリルホジッチ監督は今後のマネージメントが非常にやりづらくなる。それゆえに「34~35歳の選手を連れてくればリスクはなかったかもしれない」「準備期間が最低でもあと2日あれば北朝鮮に100%勝っていた」と、チームを取り巻く環境の厳しさを今一度、強調したかったのかもしれない。

 今の日本代表が新たなチーム作りの途中であることは、誰もが理解している。それを推し進めるために大胆なトライが必要ならば、きちんと趣旨を説明したうえでチャレンジすればいい。ここ2試合も指揮官は新戦力見極めに重きを置いてきたのだから、最終戦が同じ位置づけだったとしても不思議はない。

 実際、ハリルホジッチ監督は「毎試合選手を代えているが、次もまた新しい選手が出る可能性はある」とこれまで使っていないメンバーの起用を示唆した。東口順昭や丹羽大輝、米倉恒貴のガンバ大阪勢、水本裕貴(広島)、米本拓司(FC東京)など、まだ出番を与えていない面々を最終戦で一気に抜擢することも十分考えられるのだ。

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