岡崎の献身がゴールを生む。監督からは絶対の信頼
後半になっても岡崎の運動量は全く落ちない。前半から度々脆さを見せていたDF陣が隙を突かれてサンダーランドに2点を返されてしまうが、勝負の行方を決める4点目は愚直なまでに走り続けるサムライの存在なしには生まれなかった。
ジャーメイン・デフォーに1点を返され、3-1で迎えた66分。中盤右サイドで得たFKが軽く縦に放り込まれると、ヴァーディーが抜け出してグラウンダーの速いクロスを上げる。それに対しニアサイドへ岡崎が走りこんでDFともつれながら潰れると、ボールは相手にクリアされて一度エリア外へ。
しかし、そこに猛然とオーバーラップしてきたジェフリー・シュラップが突っ込んでこぼれ球を攫い、ペナルティエリア内に残っていたオルブライトンへラストパス。この日2アシストの元イングランドU-21代表アタッカーが見事なコントロールから反転してゴールにねじ込んだ。
もし最初のクロスが入った時に岡崎がニアサイドでDFを引きつけていなければ簡単に処理されてしまったボールだったが、一瞬たりとも気を抜かず、それまでと同じように走り込み続けた努力が勝負を決める1点を引き寄せた。
この試合で目立ったのは運動量だけではない。周囲の選手が皆岡崎のことをしっかり見ており、ボールを奪った際には最初の選択肢として岡崎のパスを選択する場面も多かった。ゴール前へ走りこんでも確実にラストパスが送られ、岡崎が相手ボールホルダーにプレッシャーをかければそれに連動して周りも動き出す。
そういった信頼はクラウディオ・ラニエリ監督の采配からも見てとれる。最初の交代はリッチー・デラートとヨアン・ベナルアンのDF同士によるものだったが、次に交代を告げられたのは2得点のマフレズと、前線で幅広く動いて岡崎をサポートしていたヴァーディーだった。