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【動画】なでしこ 最終戦で中国を下し3位で大会を終える

text by PERFORM/ePlayer

 東アジアカップ女子、最終戦の中国vs日本は、お互いの特長が出た好試合になった。中国は体格の良さを活かした力強いプレーで日本ゴールに迫る。日本は丁寧なパスワークで相手守備を一枚ずつ引きはがす。そして「柔よく剛を制する」戦いを見せた日本が、やっと「なでしこジャパン」という名前にふさわしい勝利を収めた。

 中国戦に臨む日本は、またも選手を大幅に入れ替えた。3試合連続で先発するのは京川舞と有町紗央里の2人だけ。一方の中国は、3試合で10人が同じという固定された選手起用となった。コンビネーションでは中国が上かと予想される中で、巧みな連係プレーを繰り広げたのは日本だった。

 日本は開始早々から中国陣内に攻め込む。細かくパスを繋ぎながらサイドからの崩していった。右ウイングの中島依美が俊足を活かしてカットインし、アクセントとなる。前半、日本の最大のチャンスは26分。FKから村田亜未が6枚の壁の右を狙ったが、GK王飛が横っ飛びで触ると、ボールはポストに当たって跳ね返った。

 最初は後手に回っていた中国だったが、前半も半ばを過ぎると中国が力強く前に出てきた。ボールを奪うとロングパスを織り交ぜながら日本ゴールを脅かす。特に左サイドで韓鵬が基点となり、ペナルティエリアにボールを供給した。日本はしっかりと踏ん張って耐え、一進一退の攻防に持ち込んで前半を終えた。

 ともに無得点のまま迎えた後半、先に決定機をつくったのは日本だった。58分、京川舞のシュートがGKを襲う。59分、右からのクロスに逆サイドでフリーとなった川村優理のヘディングはポストに当たった。61分、交代出場の菅沢優衣香が短いドリブルからフィニッシュに持ち込んだが、これもGKがセーブ。

 中国は次第に足が止まり、ファウルが増えていった。日本はその激しい接触プレーを、読みの良さとひるまずぶつかり合うことで乗り切る。転がされてもすぐに立ち上がって追い、ペナルティエリアへの進入を拒んで、後半のゲームを支配した。

 ただ、ゴールは決まらない。84分、交代出場したばかりの横山久美が抜けだし、GKと一対一になるが、これもGKの美技に阻まれた。そして、引き分けという結果が目の前にぶら下がった88分、ついにゴールが生まれる。中島のスルーパスに再び横山が抜け出すと、今度は落ち着いてGKの届かないところに蹴り込んでゴールを奪う。さらに中国の反撃を凌いだ日本は90+1分、速攻から菅沢がポストとなってフリーの杉田亜未へ。杉田は冷静に勝利を決定づける2点目を決めた。

 このまま2-0でタイムアップ。これまでの2試合とは別チームのような戦いをなでしこジャパンは見せた。

 豹変できた要因を、中島は語る。

「チーム全員で負けは許されないと思っていましたし、勝って帰るとチーム全員で思っていました。だから勝てたのだと思います。こういう厳しい、勝たなければいけない状況で勝てたのはよかった。相手は開催国で勢いもありましたが、そういう相手に対して勝てたのは本当によかった。でも、アジアの中でもう少し余裕を持って試合をしないと、世界では通用しないと思います」

「個人としてはチャンスをきちんと決められる選手になりたいと改めて思いました」

 厳しい戦いの中で、日本は最後に少しだけ自信を取り戻した。そしてそれ以上に、自分たちに突きつけられている課題に気付いた。新生なでしこジャパンの門出は暗かったが、彼女たちの向かう先には日の光が少しだけ覗いている。

(記事提供:PERFORM/ePlayer)

【了】

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