ドルトムントが後半に示した“答え”とは?
するとドルトムントは後半から布陣を4-3-3に変更する。「動き出しによっては、チャンスになった部分がいっぱいあった」と香川が言うように、47分に早速、布陣変更の効果は現れた。下がって来たオーバメヤンから、ギュンドアン、左サイドにいるムヒタリヤンに繋いで、最後は中央でロイスが決める。また64分には、ギュンドアンのスルーパスに、オーバメヤンが抜け出して、追加点を決めた。
4-3-3は、クロップが率いた昨季は用いられなかったものだ。そして「引かれたときにはタイミングが入っていきやすい」と言うように、香川自身、49分にはムヒタリヤンのパスに抜け出し、57分にはロイスとのワンツーでゴール前に入っていく。
香川はゴールを挙げることは出来なかったが、2点目のオーバメヤンにギュンドアンのスルーパスが通った「タイミング」は、まさに4-3-3の賜物と言えるだろう。引いた相手をいかに崩すかという昨季からの課題について、ボルフスベルガー戦でBVBは、一つの回答を示した。
しかし香川は「これからもっと厳しい相手が来る」と言う。DFBポカールはもちろんのこと、ブンデスリーガではさらに「インテンシティの高いチームがこれから来る」。ボルフスベルガー相手に機能したからといって、もちろん4-3-3がどんな引いた相手に対しても万能という訳ではない。
そしてムヒタリヤンが、72分にエリアの外から左足でミドルシュートを叩き込み、続いて81分、86分と決めてハットトリックを達成したように、まだ選手たちのアピールは続いている。
ブンデスリーガの開幕戦で先発の座を掴もうとする選手個々の強い気持ちに、4-3-3が組み合わさって、ドルトムントはボルフスベルガーに5-0で勝利した。
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