東京V、8年ぶりのJ1昇格へ
敵地で行われる8日の横浜FC戦で、シーズンはちょうど3分の2を終える。胸突き八丁となる終盤戦の14試合には、首位を独走する大宮アルディージャ、2位のジュビロ、追いすがってくる4位以下のセレッソ、ツェーゲン金沢、アビスパ福岡、ジェフ千葉、V・ファーレン長崎との直接対決が含まれている。
まさに自分たちの手で、2008年シーズン以来となるJ1の舞台を手繰り寄せるチャンスを迎えても、冨樫監督の「選手本位」のスタンスは変わらない。
「まだまだでしょう。一度負ければドーンと落ちちゃうはずだし、選手たちもそれほど気にしていないんじゃないかな。その前にまだやることがありますからね。
その意味では僕も精いっぱいだし、僕が成長しなければ選手が成長するスピードも遅くなる。もっといい指導者にならなきゃいけないと、讃岐戦の最中もずっと感じていました」
テクニックに長けた育成組織生え抜きの若手がピッチで受け継がれてきたDNAを開放して暴れ回り、ピッチでベテランが、ベンチでは指揮官が優しくも厳しい視線を送りながら縁の下で支える。理想的な環境のなかで復活の狼煙をあげたヴェルディが、J2戦線を熱く、激しく彩っていく。
【了】