緑色の血が流れている選手たちが受け継いだDNA
ヴェルディのアイデンティティーを色濃く継承する選手たちは、チームカラーになぞらえられて「緑色の血が流れている」と表現される。
そして、4連勝中の先発メンバーを見ると、ある「変化」が生じていることがわかる。22歳の南秀仁と20歳の澤井直人で組む2列目、19歳の高木大輔と22歳の杉本竜士で組む2トップ、つまり攻撃系の4人全員が「緑色の血」をもつ選手たちで構成されている。
4戦すべてで後半途中からピッチに入り、攻撃を活性化させてきた高木の兄、22歳の善朗も然り。先発メンバーの平均年齢が23.55歳と一気に若返ったなかで演じられている快進撃に、同じく「緑の血が流れる」と自負する冨樫監督は、キャンプから選手たちに課してきた実戦的なトレーニングが花開いたと強調する。
「いい攻撃ができればディフェンスの練習になりますし、いいディフェンスがあるから攻撃の練習にもなりますよね。攻守の両方があるトレーニングに多くの時間を割いてきたことが、ここにきて形として現れ始めてきたのかなと思っています」
カマタマーレ戦を含めて、4連勝中で3度も決勝ゴールをマークしている高木大が声を弾ませる。
「プレーしていて、失点しそうな雰囲気がまったくないですよね。練習でも(GK佐藤)優也君なら止めてくれる、イバ君(DF井林章)やウェズ(DFウェズレイ)ならはね返してくれる、というのがある。讃岐戦ではウェズに代わってタムさん(DF田村直也)が途中から入りましたけど、タムさんの気迫や気合いのこもったシュートブロックは相手にとって本当に嫌だと思うんです。
実際、練習でもポンポンと点が入ることはありません。守備陣がホントにいいので。そういう積み重ねがいま、試合に出ている。これからも守備の選手が頑張ってくれるので、僕たちは点を取ることに集中していきたい」