初戦に敗れた中国は大胆に9人を入れ替え朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)戦に臨んだ。一方、日本に逆転勝ちした北朝鮮は、中2日の試合に初戦とまるで同じメンバーで臨んだ。疲れを気力で乗り越えようとした北朝鮮だったが、中国は北朝鮮の力強い攻めに押されながらも、したたかな戦いぶりで2-0と勝利を収めた。
序盤から単純で力強い戦いが続いた。ボール保持者に対しての厳しいチェックはもちろん、ボールコントロールが乱れると、すぐにスライディングタックルが飛んでくる。しかもよく乱れるため、たびたび主審の笛が鳴り響くという荒っぽい展開になった。
中国は守備ラインに近いところでボールを回しながら、クロスやロングボールに選手が突っ込んでいく。北朝鮮は中国ほどパワーはないものの、ワールドカップ予選と9人が同じメンバーということで、連係プレーが上回っていた。
両者の特徴が出た激しいぶつかり合いは一進一退の攻防となった。15分、リ・チョルミョンが鋭くミドルシュートを狙うが、GK曽誠がはじき出す。24分、于大宝が逆襲速攻からカットインシュートを放つが、力なくGKリ・ミョングクにキャッチされた。
その後も、北朝鮮が攻め、ボールを奪った中国がカウンターで攻めるという展開が続く。ともにゴールに迫る中、36分、中国が先制した。左からのサイドチェンジのボールを北朝鮮DFが見失う隙に、孫可がボレーで折り返す。そこに待っていた于大宝は落ち着いて胸トラップすると、GKの横を抜いてゴールに蹴り込んだ。
北朝鮮もすぐに攻め返し、リ・チョルミョンのミドルシュートがゴールに飛んだが、これは中国DFが力一杯伸ばした頭に当ててゴールを許さなかった。しかしこの時間帯から北朝鮮の足が止まり始める。後半に入ると北朝鮮はますます足が重くなった。
すると51分、中国がダメ押し点を奪う。楊旭のパスを王永珀がペナルティエリアで受けようと走り込むところを、たまらず北朝鮮DFが倒してしまった。これがPKとなり、王永珀が決めて中国が2点のリードとなる。
点差が広まったため、ますますボールを持って攻める北朝鮮、カウンターを狙う中国という構図がハッキリした。63分、北朝鮮は日本戦で決勝点を奪った長身FWパク・ヒョンイルを投入して挽回を図る。だが、ゴール前からは押し出されてしまい、なかなか好機を作り出すことができない。
残り15分になると、中国の足も止まり始めた。さらにファウルが増え、北朝鮮にFKを与え続けてしまう。空中戦、ミドルシュートと北朝鮮は諦めずに攻め続けるが、GK曽誠を中心にゴールをはね返し続けた。
そしてそのままタイムアップ。これで中国、北朝鮮ともに1勝1敗。最終戦の結果次第では日本を除く3チームに優勝の目が出てきた。そして中国にとっては、初戦で失った開催国のメンツを取り戻すという、貴重な勝利になった。
(記事提供:PERFORM/ePlayer)
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