ドルトムントに漂う“楽勝ムード”
意外だったと言う。
「1-0で終わったのか? 15分位までは1-0だったよな。そのまま終わったのか。6-0、7-0位になると思っていたけどなあ」
2015年7月30日にヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦の1stレグで、ボルシア・ドルトムントがボルフスベルガーACを1-0で下した翌日のことである。クラーゲンフルト中央駅前のレストラン「Delicious」のウェイター、ゲオルグはそう感想を漏らした。ドルトムントは16分にホフマンが先制し、後半の敵の反撃はビュルキが好セーブで防いで、そのまま勝利している。
ドルトムント戦は田舎町ボルフスベルクの本拠地ではなく、クラーゲンフルトにある収容人数の多いベルターゼー・シュタディオンで行われた。
ゲオルグはボルフスベルガーのファンではない。クラーゲンフルトの郊外に住んでいる。ドルトムントのこともボルフスベルガーのことも、知ってはいるが詳しくはない。しかしゲオルグが予想した「6-0、7-0」というスコアは、的外れなのだろうか。
ドルトムントは8月6日に2ndレグを戦う。ホームのジグナル・イドゥナ・パルクで迎える今季で初の公式戦だ。2日の時点で、既に6万枚のチケットが売られているという。
1stレグを1-0の僅差で折り返したが、メディアの中にボルフスベルガーを用心する声はない。警戒論がないどころか、ドルトムント対ボルフスベルガー戦そのものの話題を見つけることが難しい。目下、ドルトムントがセリエAのインテルに所属するシャキリの獲得を熟考しているということと、それに伴うブワシュチコフスキの放出の可能性が話題の中心だ。独紙『ビルト』電子版などが報じている。
また、2日の時点でまだ5000枚のチケットが余っていた。「6-0、7-0」の大差がついているかは分からない。しかし2ndレグが終われば、ドルトムントが次のプレーオフに進んでいると、誰もが考えていると言えるだろう。