今季はファンの心を取り戻す戦いへ
ヘルトSDは選手の補強も積極的に行っている。そして今のところ、どれも的確なものとなっていると言えるだろう。ルドゴレツからDFジュニオール・カイサラ、フライブルクからDFサシャ・リーター、マインツからMFヨハネス・ガイス、そしてブレーメンからFWフランコ・ディ・サントをそれぞれ獲得した。
カイサラとリーターの獲得は、右サイドバックのポジションに内田篤人の控えがいないという昨季の問題に対する回答となった。ヘルトSDによれば、内田は前半戦を欠場するとも言われており、ELもあることを考えれば、やはり2人の右SBは必要となるだろう。
ガイスは、昨季の中盤に欠いたキャプテンシーを示すことになりそうだ。ボアテングはケラーによって与えられたボランチのポジションに不満を示し、ボアテング以外にもミッドフィールドでリーダーシップを発揮できる選手はいなかった。8月3日付の『キッカー』紙は、ガイスについて「ボランチの選手として攻撃の波を主導しなければならない」と記している。
またシャルケはフンテラール欠乏症という問題も抱えてきた。フンテラール以外に前でボールを収めることのできるCFがおらず、例えばこのオランダ代表FWを怪我で欠いた13/14シーズンの前半戦は大苦戦を強いられている。それもディ・サントの獲得である程度は解決できそうだ。193cmと長身で足元の技術もあるディ・サントは、ターゲットマンとして十分に機能するだろう。
シャルケは2日のトゥエンテ戦を1-1で終えて、プレシーズンのテストマッチを全て終えた。3勝3分1敗とまずまずの成績を残している。4-4-2か4-2-3-1か、それとも4-1-4-1か、システムについては、ブライテンライターはまだ試行錯誤の途中のようである。
新進気鋭の若手指揮官は「我々はファンをさらに強く包み込みたいんだ」と言う。ブンデスリーガのクラブの中でも、特にシャルケのファンは情熱的だ。昨季の最終戦での怒りは、クラブを愛する気持ちの裏返しとも言える。
ファンの心を取り戻す。そのために、シャルケの戦いは始まっている。
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