北朝鮮戦からメンバー総入れ替えの可能性も
指揮官はこの対応前、柴崎や興梠ら北朝鮮戦の控え組に「取材を受けないように」と指示。興梠や太田宏介(FC東京)は申し訳なさそうに「今日はすみません」とバスに乗り込んでいった。宇佐美や武藤らがコメントすることは許したのに、もう一方のグループには取材制限を設けてピリピリ感を露わにしたところを見ると、韓国戦ではメンバー総入れ替え、あるいはそれに近い大幅変更を考えているとも考えられる。
仮に11人全員を変えた場合、GK東口順昭(G大阪)もしくは六反勇治(仙台)、DF米倉恒貴、丹羽大輝(ともにG大阪)、MF藤田直之(鳥栖)、倉田秋(G大阪)と5人が初キャップという大胆なメンバーになる。「韓国は今大会で最も強いチーム。そしてフィジカル面も韓国の選手たちはかなりすごいものを見せている」と指揮官自身が絶賛する相手に、国際経験の乏しい選手たちを数多くぶつけるのはかなりリスキーだ。
しかしながら、ハビエル・アギーレ前監督が2014年10月のブラジル戦(シンガポール)にベストメンバーとは程遠い国内組中心の陣容で挑んだように、外国人監督というのは想定外の行動に出ることがある。6月のシンガポール戦(埼玉)ドロー、そして北朝鮮戦黒星と就任後初の公式戦未勝利が続くハリルホジッチ監督には失うものは何もない。今、何をやってもおかしくないだけに、サプライズは十分ありえるのだ。
ただ、どんな陣容であろうが、永遠のライバル・韓国にふがいない負け方をすれば、指揮官への風当たりは一気に強まるはず。その厳しさを本人もよく分かっているだろう。最悪のシナリオを回避し、勝利を手に入れるためには“フィニッシュ”を改善するしかない。指揮官自身もそこには語気を強めていた。
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