日韓戦でカギを握る柴崎のボランチ起用
しかしながら、彼がボランチにいなければゲームが落ち着かないというのも1つの事実。北朝鮮戦ではそういう課題を露呈したと言っていい。もちろん藤田直之(鳥栖)も中盤でリズムを作れる選手だが、今回が初キャップでいきなり日韓戦でガチンコ勝負をするのは難易度が高い。となれば、やはり柴崎を頭からボランチに据えるのが、日本にとってはベストな選択ではないだろうか。
「自分が中盤に入った場合? 出る選手によってですけど、特徴を生かした攻め方をしたいと思いますし、時間帯によってのゲームメークもそうですね。ただ、監督の目指すタテに速いサッカーも効果的なのは間違いないので、そこの質と精度もチーム全体で上げないといけない。この暑さでコンディションもまばらな状態なので、チーム全体として締める時はどういった守り方をするのかという意識を全員で持つ必要もあると思います」と柴崎は攻守両面でやるべきことを1つ1つ整理しつつある。
攻撃面では状況を見ながらのゲームメークとタテに速い攻めのメリハリをつけること、守備面ではチーム全体の意思統一を図ること。そこに重点を置いている。
彼とボランチコンビを組む可能性の高い山口も「全員がいつも一緒にやっているメンバーじゃないから、合わないところは当然出てくる。その中で全員が勝ちに対してもっと強い気持ちを持ってやることが一番大事。
監督の求めるサッカーだったり、自分たちがやりたいサッカーはあるけど、やっぱりそれじゃ勝てないというか、この大会は厳しいというのが昨日の試合で分かったし、泥臭く勝つことも必要だと思うんで。前回(2013年韓国大会)は押し込まれる展開が多い中で全員が一丸となって耐えて勝ったところがあった」と今こそ結束して立ち向かっていくべきだと言う。
そのためにもボランチのところで行くべきか、落ち着けるべきかの共通理解をしっかりと図ることが、チームの安定した戦いにつながるはずだ。
そのリーダーシップと確固たる統率力を新背番号7の柴崎には今こそしっかりと見せてほしいものだ。
【了】