8月2日、前日の女子に引き続き、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)vs日本のカードで東アジアカップ男子が幕を開けた。日本はワールドカップ予選のシンガポール戦からは槙野智章と宇佐美貴史だけを残して9人を入れ替え、逆に北朝鮮はウズベキスタン戦(4-2)、イエメン戦(没収試合3-0)のメンバーから2人だけを入れ替えた。ただし、北朝鮮の1トップとして君臨しているパク・クァンリョンは欠場している。
日本は試合開始早々、高い集中力を見せて先制点を奪った。3分、慣れない右SBから遠藤航がクロスを入れると、中央に走りこんだトップ下の武藤雄樹が合わせて先制点を挙げる。その後も日本は長短織り交ぜたパスでリズムを掴んだが、次第に運動量が落ちていった。
すると30分過ぎに北朝鮮がチャンスを作り始める。パク・クァンリョンの代わりとしてトップに入ったチョン・イルグァン、左サイドのソ・ヒョンウクを中心に攻撃を組みたて始める。39分にはこぼれ球がゴール前のチョン・イルグァンにわたったが、シュートが弱く西川周作がすっぽりと手の中に収めた。
後半も流れは変わらない。53分、チョン・イルグァンがダイビングヘッドでゴールを狙う。その後も北朝鮮はサイドを使いながら次々とクロスを日本ゴール前に送り込む。日本選手は疲労の色濃く、必死でボールをはじき返し続ける時間帯が続いた。さらに北朝鮮は長身のパク・ヒョンイルを交代出場させ、空中戦で日本を押し続けた。
78分、ついに日本ゴールが破られる。ロングフィードをパク・ヒョンイルが頭で落とし、リ・ヒョクチョルがネットで叩き込んだのだ。反撃しようにも、日本にはもう体力が残っていない。そして88分、クロスをパク・ヒョンイルがヘディングで合わせて、ついに北朝鮮が逆転する。そしてそのままスコアは動かずタイムアップ。日本は初戦で1-2と手痛い敗戦を喫することになった。
山口蛍は、中盤で相手を止めながら、力業でゴールをこじ開けられた反省をこう語った。
「球際の部分で勝っていたときもあったけれど、緩かったときもあった。そこはもっとやっていかなければならない。ロングボールは放り込まれると、あとは一対一の勝負になるから、そうされないためにうまくプレッシャーをかけなければいけないし、フリーでクロスを入れられていることも多かったので、もっと守備のために限定していかなければいけない」
「本当はこぼれたところを自分たちが拾って前に行ければよかった。放り込んでくる相手に弱いというのはずっとある課題だと思う。一対一で勝てないのならチームとしてどうするかもっと取り込んでいかないといけない」
続く韓国戦まで中2日。はたしてその中で課題の克服と疲労回復はできるだろうか。
(記事提供:PERFORM/ePlayer)
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