地元中国が登場した中国vs韓国は、序盤から激しい肉弾戦となった。最初に仕掛けたのは中国で、韓国も激しく対応する。そして試合終了の間際までピッチに転がる選手が続出した。その激しい戦いを制したのは韓国だった。先取点を奪ったら流れのいいうちにたたみ込むという試合巧者振りで2-0と開催国を下した。
韓国は試合開始直後に中国が仕掛けた猛攻を凌ぐと、その後はボールを保持しながら中国陣内に攻め込む。ところがこの日の韓国はパスの精度が低く、ラストパスの1つ手前で中国守備網にボールが引っかかり続けた。
中国の攻めは単発ではあるが力強い。体格の良さを生かしてグイグイと前に進み、単純に後ろを狙ってくる。ただし、精度は高くないので韓国はボールがこぼれるところを奪うことができた。
つまり、お互いにあまり攻撃の形を作れない。中盤を越えようとするところでミスが起き、両チームともアタッキングサードに入っていけない。そんなじりじりとした試合がやや動いたのは35分。韓国が右サイドからペナルティエリアに侵入し、クォン・チャンフンが頭で合わせる。
このシュートはクロスバーを越えたが、このプレーで勢いを得た韓国はペナルティエリアに迫るようになった。そして前半終了間際の45分、右サイドのイ・ジェソンからのスルーパスにキム・スンデが走り込む。キム・スンデはGKと一対一になると、冷静にゴールに蹴り込んでついに韓国が先制点を奪った。
この1点で韓国は落ち着いた。後半立ち上がりから選手間の距離が短くなり、パスミスが減る。選手一人ずつのボールを持つ時間が減って、中国の選手たちは走らされるようになった。そして相手が寄ってこないとみると、クォン・チャンフンがドリブルで中央を突破し中国を慌てさせる。また、イ・ジェソンが中国の空いたスポットに顔を出して守備網を振りまわした。
55分、イ・ジョンホがゴール正面でパスを受け、狙い澄まして右足を振ったがボールは右サイドに外れてしまった。しかし57分、今度は右サイドから流れてきたボールに素早く反応し、飛び出してきたGKを外して追加点を決める。
2点をリードされても地元の中国は諦めない。63分、韓国GKが弾いたボールが于海(ウ・カイ)の足下にこぼれる千載一遇のチャンスを迎える。ところがこのボールを于海はテーピングでぐるぐる巻きにしている右足でトラップすることができず、決定機を潰してしまった。
72分、相手にミスにつけ込んでペナルティエリアに侵入すると、パスはフリーのイ・ジョンヒョプへ。だがこれをGK王大雷(おう・だいらい)が防いで中国は追加点を許さない。さらに74分、今度はイ・ジェソンがゴール前でフリーとなるも、これも王大雷が落ち着いて対応し、DFの戻る時間を稼いでシュートさせなかった。
77分、右サイドから流れたボールが左サイドの孫可(そん・か)に渡る。GKと一対一だったが、これを痛恨のシュートミスし、スタジアムには大きなため息で包まれた。
80分を過ぎると、両チームの選手に疲労の色が濃くなり、攻守ともに雑になって、余計にぶつかり合うことになった。鄭智(てい・ち)が倒れたところで90分が過ぎ、しばらくの後にタイムアップ。体力勝負では互角だった。そしてサッカーでは中国が粘りを見せたものの、韓国のほうが一枚上手だった。
(記事提供:PERFORM/ePlayer)
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