監督との次戦、カギを握るボランチ勢の奮起
アンカー役を担った谷口も「前にボールを出す時間を長くして、落ち着くところは落ち着かせてコントロールというのを、真ん中である僕がうまくやらないといけなかった」と消極的になった自らの仕事ぶりを悔やんだ。結果的に日本は相手の思惑通りの展開に陥り、アッサリと敗れてしまったのだ。
遠藤保仁(G大阪)が中盤をコントロールしていた時の代表であれば、苦しい時間帯でも日本ペースに引き戻すだけの地力が感じられた。ハリルホジッチ監督はその遠藤をあえて外し、若い世代だけで勝てるチームを作ろうとトライしているが、現時点ではスムーズに進んでいるとは言い切れない。アジアと対戦し、苦戦するたび、遠藤不在の大きさが色濃く浮かび上がってくるのが現実だ。
今大会メンバーに前回優勝の立役者の1人である青山敏弘(広島)や負傷離脱した柏木陽介(浦和)がいればまだ違ったかもしれないが、いない選手のことを追い求めていても仕方がない。現有戦力で巻き返しを図るしかないのだ。
とにかく、山口、谷口、柴崎に加え、控えに回った藤田直之(鳥栖)、米本拓司(FC東京)らボランチ陣にはより試合をリードしていく強い意識が求められる。それがないと、中国を2-0で一蹴した次の相手・韓国には勝てない。
前回大会MVP、2014年ブラジルW杯経験者である山口にはよりその意欲を前面に押し出してほしいところ。初戦黒星の反省を生かすしか、チーム立て直しの術はない。
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