山口蛍は日本代表に意識改革を求める【写真:Getty Images】
日本代表は2日、中国・武漢で開催中の東アジアカップ初戦で北朝鮮代表と対戦し、1-2で逆転負けを喫した。屈辱の敗戦から一夜明け、2年前の前回大会でMVPを獲得した山口蛍が重い口を開いた。
試合開始直後に武藤雄樹のゴールで先制した日本は、その後もいくつかチャンスを作りつつ前半を無失点で終えた。しかし、後半に入って長身の選手をピッチへ送り出して徹底した放り込み戦術に切り替えてきた北朝鮮を抑えきれず終盤に2失点。ロングボールへの対応、そしてセカンドボールや球際の強さといった日本の課題をもろに突きつけられてしまった。
中盤でかじ取り役を担った山口は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の掲げる戦術によって縦への意識が強く、それが必要以上に働いてしまったと振り返る。そして「自分たちで、グラウンドで判断して、時間を作るときも必要だった」とボールポゼッションの店舗を変えながら攻める選択肢を取るべきだったと試合中の判断力不足を悔やむ。
「やってきた時間も短いし、そこはまず監督が求めていることをやることが大事だと思う」と現場の決定権を持つ指揮官の戦術を尊重するが、「ああいう展開になるのであれば、やっぱり自分たちの時間を作るべきだった」と“やらされているだけ”の受動的なサッカーが相手に主導権を渡す要因になったと自論を述べた。
ハリルホジッチ監督が積極的に縦方向へ展開しないサッカーを許容するかは「ちょっと分からない」と明言を避けたが、「球際の部分でも全部が負けていたわけではないけど、緩かったところもあるし、そこで勝っていれば、攻められることもなかったシーンとか、もっと自分らのボールにできたっていうシーンもあったんで、そこはもっと強くいかなくちゃいけない」と、チーム全体に戦う意識の改革を求めた。
攻撃面では惜しいチャンスを何度も作ったものの決め切れず1点止まり。守備でも局面の攻防を制すことができず相手に自由を許してしまった。日本代表が以前から抱えている課題が改めて表面化したと言えるが、東アジアカップは短期決戦で、すぐに修正しなければ次戦以降の惨敗もありうる。ハリルホジッチ監督や選手たちは短い準備期間でどのような変化、そして成長を見せられるか。日本サッカーの真価が問われる。
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