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香川真司 9年前

簡単ではない練習試合。EL先発を外れた香川、ブンデス開幕先発へ頼れるのは己の経験と技術のみ

ドルトムントはベティスとのプレシーズン最後のテストマッチを行い、2-0と勝利した。ボルフスベルガーACとのELでベンチスタートとなった香川真司だが、この日は先発。テストマッチ特有の緊張感のない雰囲気の中でのアピールとなった。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

夏の縁日のようにざわついたスタンド

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香川真司【写真:Getty Images】

 練習試合は難しい。まずスタジアムの雰囲気が、ピリッとしない。2015年8月1日、ドルトムントはスペイン1部のベティスとテストマッチを行った。ドルトムントにとっては、プレシーズンで最後の練習試合である。場所は世界最古のモノレールが走る街、ウッパータールだ。

 先発した香川真司は「普通の練習試合の雰囲気だった」と振り返った。一昨日のヨーロッパリーグ、ボルフスベルガーAC戦のように、ゴール裏に裸で気勢を上げる連中はいない。クラーゲンフルトで焚かれた発煙筒は、ウッパータールでは冷えたビールにすり替わった。

 香川は「ちょっと最初の入りもぬるかったし、それが上手く改善できなかった」と言う。もちろんBVBの選手たちにやる気がなかったという訳ではない。2日前のヨーロッパリーグの初戦で先発から外されたからと言って、不貞腐れている暇はない。2ndレグは次の木曜日にやってくる。

 しかしスタンドはざわついている。夏の縁日のようだった。ゲームに対する集中が、公式戦のようにいかないところがある。香川は「ゴールを決めるチャンスもミスが多かった」と振り返る。

 12分、ライトナーのスルーパスに抜け出したクーバのシュートは、ゴールの右ポストに当たって右に逸れた。クーバだけではなく、BVBは最後のところで精度を欠いた。

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