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日本代表 9年前

東アジア杯のキーマン、“ゲームメーカー”山口蛍。連覇のカギは「チームの総合力」

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ゲームメーカーとして流れを作り出せるか

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柴崎岳の台頭によって目下、代表ボランチ争いは熾烈を極めている【写真:Getty Images】

 とりわけ、永井とは2012年ロンドン五輪代表の頃から長くコンビを組んでいるだけに、どういうボールを出せば彼のスピードを最大限生かせるかを熟知している。そこは非常に心強い点だ。川又との関係にしても、セレッソ大阪でターゲットマンタイプの田代有三とプレーしている感覚を生かせるはずだ。

 宇佐美や武藤とは探り探りになるだろうが、いずれにしてもボランチのパートナーである谷口が守備的な選手であるため、彼が司令塔として攻めのリズムを作らなければ、日本がゴールを奪うのは難しくなる。青山敏弘(広島)という際立ったタテへの意識を誇るゲームメーカーとコンビを組んだ前回とは、山口の役割は大きく異なるのだ。

「前回も自分たちのサッカーっていうよりは、チーム力で優勝したようなところもあるんで、今回もチーム一丸となってできたらいいかなと思います」と彼は今の日本代表が総合力と結束力を出せるように導いていく構え。そのためにも、普段通りの黒子の仕事に徹しつつも、今回はゲームメーカーとして流れを作り出すことがより強く求められる。

 2つ年下の柴崎岳(鹿島)の台頭によって目下、代表ボランチ争いは熾烈を極めている。J2でプレーする山口自身の立場も厳しくなりつつある時期だけに、ここは2014年ブラジルW杯3試合出場選手としての経験をいかんなく発揮する必要がある。

 遠藤保仁(G大阪)、長谷部誠(フランクフルト)、青山といった年長者たちとともに戦ったこの2年間で引き継いだ財産を生かすのは今しかない。

【了】

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