国内のサッカー人気が自国リーグにリンクせず
9万9382人――7月24日、メルボルンで行われたインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)の豪州ラウンド最終戦の公式観客動員数。
レアル・マドリーとマンチェスター・シティというメガクラブ同士の対戦で、しかも、クリスティアーノ・ロナウドという稀代のスーパースターが登場するとなると、それなりの数字が弾きだされることは充分に予想できた。
しかし、実際に発表された数字は、その予想を超える強烈な数字だった。最大10万24人を収容する豪州最大のスタジアムであるメルボルン・クリケット・グラウンド(通称MCG)は、この数字で実に99.35%が埋まった計算になる。
この試合でMCGでのサッカーの試合の観客動員数レコードが、あっさりと書き換えられた。
確かに世界有数のビッグクラブ同士の対戦ではあった。しかし、プレシーズンのカップ戦での外国のクラブ同士の対戦で、いずれのチームにもオーストラリア人選手は所属していない。その試合が、13年に行われたリヴァプール対メルボルン・ビクトリー戦の観客動員数(9万5406人)のレコードをあっさり抜き去った。
豪州のサッカー界は、国内のサッカー人気がAリーグの観客動員に直接的にリンクしないという根本的な問題を抱える。実際、現行のAリーグの対戦カードだと幾ら頑張ってもANZスタジアム(8万3500人収容)やMCGなどの大箱を埋める動員力は無い。