激化するトップ下争いを制するのは?
現在のミランでトップ下を争うのは、本田、ボナベントゥーラ、FWジェレミー・メネズの4選手だ。攻撃面での存在感を示しているのはボナベントゥーラ。自身でドリブル突破をしかけることもでき、バイタルエリアでのキープ力も高い。また、献身的な守備も魅力的だ。
一方で、本田の魅力は味方選手との連携によってチームをオーガナイズする“調整力”。攻撃においてはニアン、バッカとよいコンビネーションをみせており、守備においても前線からのプレスに加えて味方選手の動きをみながら効果的にスペースを埋めることができる。
ミハイロビッチ監督はサンプドリア時代にもトップ下には攻守のバランスを保てるMFロベルト・ソリアーノを置いていた。スソとメネズは前者2選手と比較すると、どうしても守備の意識が不足している。
ボナベントゥーラと本田のどちらを先発出場に選ぶかは、相手チームとの相性が大きいだろう。インテル戦のようにボールを預ける時間が多くなれば、守備時は「4-4-2」で守る可変式4-3-1-2に対応しやすい本田を起用する可能性が高い。一方で、ボールを保持することが容易な相手では、より独力で局面を打開できるボナベントゥーラの起用が予想される。
本田が不動のトップ下になるためには、攻撃において結果を残していくしかない。「単純に個で人4人を抜くことはできない」と試合後に語った同選手だが、コンビネーションによってアシストやゴールを記録していけばチーム内での地位を確立することができるはずだ。
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