勝利したドルトムントが踏み出した確かな一歩
香川がホフマンに代わって「点を取りに行け」とトゥヘルに言われてピッチに送り出されたのは66分のことだが、逆にボルフスベルガーに勢いが増していった。70分に途中交代で入ったテルディナは、直ぐにCKからヘッドでBVBのゴールを脅かしたが、ビュルキが辛うじて防ぐ。83分にも同様にテルディナがCKから頭で合わせ、もつれたところを最後はカルロスが詰めるが、決めきれない。89分にはカウンターで出ようとするテルディナを、フンメルスが抱きかかえるようにして止めて、イエローカードを貰った。
最終的にドルトムントはボルフスベルガーに1-0で勝利する。辛勝だった。しかしこれがトゥヘル体制となって、初めての公式戦であったことを考えれば、勝利したことそれ自体がもっとも「大事」なのかもしれない。
ホフマンは「ピッチはどんどん悪くなっていった」と言い、香川もまず「ピッチも凄く悪かったです」と試合を振り返った。条件は決していいとは言えないアウェイで勝ち切ったことは、評価されてしかるべきものだろう。「究極的には無失点で勝利したので僕らはハッピーだ」とホフマンは述べている。ホフマンが奪った唯一のゴールは、アウェイゴールなのだ。次戦に向けて大きなアドバンテージである。
多少は不格好でも、ドルトムントはトゥヘルの下で、確かな一歩を踏み出したと言えそうだ。
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