守備に手応えを掴んだ本田圭佑
本田にとっては主力2トップとの連携テストの場ということで、大いに気合が入ったことだろう。後半開始早々の2分にはバッカにいいタイミングでスルーパスを送り、攻めに絡もうという意識を強く押し出す。
16分には右CKのキッカーを任され、その流れからの右クロスを前線のサパタへ。彼がヘッドで落としたボールをバッカが強烈な右足でゴールを狙う決定機につながる。この時間帯まではミランが主導権を握っていた。
しかし、ここを境にミランは防戦一方となり、本田もボランチの位置まで下がって奮闘せざるを得なくなる。スライディングタックルを2度3度お見舞いするなど泥臭さを披露。守りでチームの無失点に貢献した。
「(ミハイロビッチ監督の)選手時代のポジション(DF)が、今の守備のやり方にも関係してる部分がある。実際、セットプレーでしかこの2試合で点は取ってないですけど、逆に守備はこうやってすぐにでも形になるし、危ない場面はあるけど最後に足を伸ばして守れてる。そこは明らかに去年との精度は違いがある。この2試合はチームとして攻撃よりも守備の方が手ごたえがあったと思います」と本田は短期間で強固な守備ブロックを構築した新指揮官の手腕を前向きに受け止めていた。
攻撃面は2試合を通して彼自身ノーゴール。アシストもなしということで、完成への道は険しそうだが、トップ下という本職のポジションを与えられた本田は俄然、モチベーションを高めている。
中央でタメを作ったり、左右に流れてチャンスをお膳立てするなど、日本代表やVVVフェンロ、CSKA時代の一時期に積み上げてきた経験をいかんなく発揮できる環境に恵まれ、「このポジションなら必ず輝ける」と自信を得た様子だ。
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