日本代表への思いを語った燦・ファンティーニ【写真:フットボールチャンネル編集部】
ディノ・ゾフ、ジャンルカ・パリュウカ、そしてジャンルイジ・ブッフォン…。数々の名手を輩出したGK大国イタリアには、ひとりの“サムライGK”がいる。
17歳の燦(あきら)・ファンティーニは、日本人の母親とイタリア人の父親を持つ日伊ハーフGKだ。現在は、かつて長友佑都もプレーしたセリエB(現在2部)チェゼーナの下部組織に所属している。
最近では名門インテルが獲得に興味を示しているという報道もあったが、「オファーはない。スカウトが2人見に来ただけ」と否定している。
幼少期にサッカーを始めた当初のポジションはフォワード。だが、「お父さんと一緒にイタリア代表の試合を観に行ったときにブッフォンがプレーしていた。そこで素晴らしいセーブをしてチームを救った印象を持って、カッコいいなと思った」と話すように、ユベントスのブッフォンに憧れを抱く。
日本人GKでは浦和レッズの西川周作を好きな選手として挙げた。「自分がゴールマウスの前に立っているということを前に出すところ、そしてジャンプ力が好きです」と理由を挙げ、GKとしてプレーすることに誇りを持っているところに感銘を受けたと話す。
柏レイソルユースの練習に参加した際は、2つの国の違いについて「イタリアは短い時間で全力を尽くす。質を大事にします。日本はイタリアと違って量が多いです。イタリアのコーチは怖いですけど、慣れてきちゃいました」と述べている。
GKというポジションは、ファインセーブを見せればヒーローになるが、ひとつのミスで大きな批判を受けるものである。それでも、「GKをやりたいのであれば、責任を持ち、ブーイングされても構わないというメンタルを持ちながらやっていかなければならない。一番大切なのはメンタルです」と17歳ながら力強く語る。
これからの目標は「まずはチェゼーナでプロになって、出来ればもっとビッグチームに行きたい」と話すファンティーニ。さらに、「若いうちはヨーロッパのいろんなクラブで経験を積んで、最後には日本でもプレーしたい」と将来的にはJリーグでのプレーも視野に入れているようだ。
気になるのは、「日本とイタリア、どちらの代表でプレーするか」である。ファンティーニは、「心の中では日本人だと思っているので、日本代表を選びたいと思っている」と“サムライ・ブルー”のユニフォームを着ることを夢見ている。
2020年の東京五輪では22歳だ。ここでも「もちろん狙っている」と5年後を見据えたその目は、遠く離れたイタリアから日本に向けられている。
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