高温多湿の真夏にこそ際立つタフで武骨な存在感
ヴァンフォーレ戦では3バックの前に岩間雄大をアンカーとして配置。その前に左から岩沼、喜山康平、岩上、田中隼磨を並べる「3‐1‐4‐1‐1」の布陣で臨んでいる。
「体力を要するシステムだけど、(喜山)康平と(岩上)祐三は運動量があるし、スペースを埋める力もある。ユベントスもやっているシステムだし、苦しいけどやっていかないと。工藤もかなり走っている。大車輪の活躍だよ。これだけ暑いとアイデアも浮かんでこないから可哀そうかもしれないけど、期待通りの活躍をしてくれて感謝しているよ」
新戦力が加入したことでチーム力がアップし、選手間の競争も生まれた。好循環に導かれての連勝に手応えを感じながら、「夏場でも足は止まらないですね」と聞かれた反町監督はニヤリと笑った。
「いまのところは、な。これからそうなるかだけど、(安藤)淳も(工藤)浩平も大丈夫じゃないかな」
その運動量がますますクローズアップされるであろう岩上も、こう力を込めた。
「相手は後半の最後で運動量が落ちるという確信があるし、僕たちはもっと走れるという自信がある。そこで1点でも2点でも取って、勝ち点3をもぎ取っていきたい」
まさに以心伝心。『ドS』と『ドM』のあうんの呼吸が生み出した「走力」を絶対的なベースにすえて、その上に少しずつ彩りを加えている松本山雅は、高温多湿に見舞われる真夏の消耗戦で「一人多い戦い」を貪欲に追求。タフで武骨なその存在感で、対戦相手を辟易させるはずだ。
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