「選手である以上はフルでできる環境が一番いい」
サイドバックでの生存競争にポイントを絞って見ても、この2戦では長友、フアン、ダンブロージオが左でプレー。右はサントンとモントーヤが入った。長友が左右両方で起用されるとしたら、現状だけでもこれだけのライバルと競わなければならない。
「競争はどこにいてもある。それはインテルだけじゃなくて日本代表にいてもそう。それを勝ち抜くために、結局は日々の努力しかない」と本人は覚悟を決めていたが、2011年冬のインテル移籍以来、ケガを除けばほぼコンスタントに試合に出ていた彼にしてみれば、やはり厳しい状況なのは間違いない。
長友が加わった頃のインテルはサネッティやスナイデル、マテラッティら偉大な選手がいて、UEFAチャンピオンズリーグで4強入りするような強豪だったが、当時と今では状況が異なる。ここでベンチを温めても得られるものはそれほど多くなさそうだ。
「移籍に関しては神のみぞ知る。インテルにまだ縁があるんだったらインテルに残ることになると思う」と長友はミラン戦後にクラブへの深い愛着をのぞかせたが、一方でレアル戦後には「もちろん選手である以上はフルでできる環境が一番いい」とも語っている。それだけ自身の身の振り方を真剣に探っているのだろう。
報道されている移籍先候補のジェノア、ガラタサライ、ストークなどでコンスタントに出場機会を得られるのであれば、そちらを選択する方が彼自身の今後のキャリア、日本代表での完全復活を視野に入れてもプラスではないか。とにかく長友にはベストチョイスをしてほしいものだ。
それと同時に、インテルの開幕までの動向にも注目していきたいところ。今週にはヨベティッチも加入するだけに、全体的なテコ入れの行方が気になる。
【了】