かつての名選手も採決には反対
RMCスポーツで解説を務める元リヨンのレジェンド、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ氏も反対意見を隠さない。
「僕はこの案が良いとは思えない。小クラブの成長を妨げることになりかねないからだ。クラブ史の中で、『ずっとリーグ2でやっていました』というのと、たとえ1シーズンだけでも、『リーグ1でプレーしたことがあります』というのには、大きな違いがある。彼らにとっては、一度の昇格がタイトル獲得にも等しい勲章になったりもする。そのチャンスを狭めることが、リーグの活性化になるとは思えない。」
同じく元フランス代表GKグレゴリー・クペも、投資家を守るためという考えは理解しながらも、「これは根本的にリーグ1のクラブをプロテクトする案だ。リーグ2のクラブにとっては受け入れ難いだろう。第一、降格するクラブが3から2になれば、シーズン終盤の緊迫感は薄くなる。今までとはテンションも違ってくるだろう」とリーグ1の面白味が欠ける問題点を指摘する。
今季からの導入は実現しない可能性も高いが、来季はわからない。それに、ティリエズ会長の目論みは、おそらくこれだけではない。彼はリーグ1のクラブ数を18に縮小することにも前向きなことは昔から良く知られている。今回の新案を布石に、近い将来18クラブ化を導入する気だろう。
FFP緩和でPSGがますます巨大化していく一方で、中・小クラブの資金繰りのための試行錯誤は止む事がない。その現象はフランスリーグだけに限ったことではないが、2011年のカタール勢のPSGへの参入以来、リーグ1は間違いなくこれまでとは違った局面を迎えている。
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