サポーターにとって重要な存在だった阿部勇樹
レスターサポーターのマユール・バジさんは、“修理屋(ラニエリ監督の愛称)”の抜擢は岡崎にとって有益になると考えている。
「たとえ岡崎がピアソン時代の契約選手であっても、イングランドに来たばかりの頃に困難に直面した外国人指揮官のラニエリ監督の方が、より多くのチャンスをもらえると思う。ラニエリ監督は岡崎にとって父親的存在になるだろうし、この土地に腰を落ち着かせる助けになれば、フットボールに集中できる」
たとえそうでも、バジさんは日本代表の背番号9がどのポジションにフィットするのかはやや確信がもてないようだ。
「ほとんどのレスターサポーターが『岡崎は本当に必要な選手か?』と感じていると思う。クラブは1月にアンドレイ・クラマリッチと契約したが、プレミアリーグに適応する時間を要している。しかし、彼は非常に才能豊かな選手だ。フォクシーズには既にレオナルド・ウジョア、デイビッド・ニュージェント、さらにジェイミー・ヴァーディーもいる。もちろん、岡崎もイングランドで自らの価値を証明するには時間がかかるだろうからね」
バジさんがその問題の解決事例として目を向ける選手が、レスターがチャンピオンシップ(2部)を戦っていた2010年から2012年にチームに所属していた阿部勇樹だ。彼は岡崎と同様に華々しい選手というより安定した力を発揮するタイプであり、チームのために全力でプレーする姿は、サポーターやチームメートから常に正しく評価されるイングランドで戦力として見なされた。バジさんは浦和レッズの現主将の大ファンだった。
「阿部はレスターの中でお気に入りだった選手の一人だ。スヴェン・ゴラン・エリクソン監督は当時ボランチを2人起用することを好み、阿部はDFの前でダーティな仕事に徹していた。ボールの配球も素晴らしく、街にも馴染んでいた。彼はディトマー・ハマンのようなタイプの選手で、決して目立たないがチームの中で重要な選手だった」