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“飛車角落ち”のバルサと“大軍”のマンU、新シーズンに向けた2つのサバイバルレースをひも解く

text by 編集部 photo by Getty Images

若手の台頭求められるバルサ。主力との差を埋められるか

“飛車角落ち”のバルサと“大軍”のマンU、新シーズンに向けた2つのサバイバルレースをひも解く
ラフィーニャは持ち前の創造性でチャンスを作った【写真:Getty Images】

 未成年選手の登録規定違反によって来年1月まで補強禁止処分を受けているバルサは、今夏獲得したアレイクス・ビダルやアルダ・トゥランを半年間起用できない。当然チームを去る選手もおり、純粋な戦力で言えばしばらくマイナスの時期が続く。その長い時間をいかにしのぐかは昨季までバルサBや下部組織でプレーしていた若手選手たちの台頭にかかっているといって差し支えないだろう。

 これまでの主力組はアメリカでの2戦目も依然高いクオリティを保証し、メンバーが変わらないため連係もスムーズだった。問題は後半、8人を入れ替えると途端に別のチームになってしまうことだ。指向するサッカーは同じものだが、明らかに質が落ちてしまう。

 その中でも期待を抱かせる材料はあった。フル出場を果たした3人のうち、セルジ・ロベルトとラフィーニャは若手の中でもトップチームの“先輩”として、戦力になることを証明した。中盤と右SB、2つのポジションでプレーしたS・ロベルトは90分間プレーの質を落とすことなく後方からゲームメイクに絡み、ラフィーニャは持ち前の創造性でチャンスを作った。

 そして最も明るい要素は、クロアチアの神童アレン・ハリロビッチの成長ぶりだ。右サイドに入った小柄なアタッカーは、キレキレのドリブルでユナイテッドの大型DFに勝負を挑んでいく。鋭い切り返しに相手DFは立ち尽くし、何度もエリア内へ侵入するなどBチーム同士の戦いとなったラスト30分を盛り上げてくれた。

 大型補強で戦力を刷新したユナイテッドと、昨季と変わらぬメンバーで戦うことを強いられるバルサ。対照的な2チームでは互いに違った形のサバイバルレースが続く。しかし、それぞれの持つ意味は同じ、「トップチームで生き残ること」だ。シーズン開幕まで残りわずか。すべての選手にとって一瞬も気を抜けない戦いが続いていく。

【了】

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