より「怖さ」を発揮していた前半。ライバルに後れをとる香川
64分のロイスのゴールに繋がるカウンターでは、香川も並走している。ロイスは、ギリギリまで香川に出すつもりだったが、最後に判断を変えたのだという。
「一瞬の判断が良かった」と香川は評する。「一瞬のひらめき」でボヌッチを交して、ロイスはゴールを決めた。相手からすれば、つまり「一瞬の怖さ」を発揮した、ということになるのではないだろうか。
その意味では前半の攻撃陣に、より「怖さ」があったのかもしれない。ワントップにオーバメヤン、2列目がムヒタリヤン、ロイス、カンプルである。何よりゴールを奪ったのは、40分にムヒタリヤンのアシストでオーバメヤン、そして64分にはロイスだった。
もちろん後半は、ユベントスも割り切って引いて、ペナルティエリアのスペースだけは消してきたことや、ドルトムントの選手達も各々が積極的にアピールをしようとしていたこともある。それでも「シュートまではみんな行けていたんで、そこで3点目、4点目を取れれば良かったですけど」と香川は振り返っている。
デルピエロがレジェンドであり続けるのは、かつてデルピエロ・ゾーンと言われたエリアで、無類の「怖さ」を発揮したからなのではないだろうか。
その意味でも、2-0で勝利したユベントスとのテストマッチで目立ったのは、オーバメヤンであり、ロイスだったのだ。
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