注目される去就。移籍の可能性を残す長友
本人は「前半は今回初めてやる選手ばかりで連係面は正直、難しいところがあった」と振り返りつつ、「この3週間、ずっと2部練習をやってるんで、コンディションも上がってきている」と前向きに発言。フィジカルそのものは着実に上向いている様子だ。
後半は攻めのアクションを起こす回数がより一層、増加。55分にはディマルコからパスを受けて遠目からシュートを打ちに行き、66、69、71分には立て続けに左サイドをえぐってマイナスのボールで味方のチャンスをお膳立てした。
イカルディやエルネナスといったすでに連係が構築されているメンバーが途中から出てきて、長友としてもプレーしやすくなった面はあるだろう。全体を通してマンチーニ監督には悪くない印象を与えたのではないか。
そうやって献身的な姿勢を前面に押し出すのも、インテル残留への思いが誰よりも強いから。
「チームのために戦ってるという犠牲心は監督の心にも届くかなと。僕が逆の立場で監督をしてたら、そういう選手を使いたいなと思う。自ずとそういうプレーができていれば自分のパフォーマンスもいいってことなんじゃないかな」と本人も素直に言う。
実際、移籍市場は8月のクローズまで何が起きるか分からないし、長友自身も2011年1月末にチェゼーナからインテルにやってきた時は何の前触れもなく去就が決まっている。
彼自身もこうしたサッカー界の実情をよく理解しつつ、「ホントに自分を欲してくれるクラブがあるなら話し合いたい」といざとなれば移籍を受け入れる可能性を示唆したが、やはり現時点ではインテル残留が最優先。
「どうなるかは神のみぞ知る」と偽らざる心境を吐露したように、今は中国の地で自分にできるプレーを全力でやり切るしかない。
そういう意味でも、中1日で迎える27日のレアル戦(広州)の行方が気になる。
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