MOM受賞も安泰とは言えない本田
13分のニアンへの絶妙なスルーパスは1点に直結する絶好機だった。さらに30分以降もドリブルから再度ニアンへラストパスを入れ、右ショートコーナーからエリーの得点機を演出するなど、2~3点をアシストしてもおかしくない活躍ぶりだった。
結局、45分で交代したものの、気温28度超・湿度80%近い猛暑の中での猛烈アピールはインパクトが大きかった。ジェノアから復帰したニアンら昨季一緒にプレーしていない面々との連係もまずまずで、指揮官も手ごたえを得たことだろう。
ただ、後半のミランは中盤の底にモントリーヴォ、右にスソ、左にノチェリーノ、トップ下にボナベントゥーラという実績ある選手が並び、2トップにルイス・アドリアーノとバッカという期待の新戦力が陣取ったため、攻めの迫力が全く違った。
得点はリスタートからだったが、ボナベントゥーラも2トップと絡んで見せ場を作っており、本田のトップ下は安泰とは言えない模様。この日に限ってはマン・オブ・ザ・マッチは本田が受賞したものの、8月23日の今季開幕までポジション争いは熾烈を極めそうだ。
対するインテルも、前半は17歳のディマルコや18歳のバルディーニ、ニュクリら若手を抜擢。長友は数少ない年長者として77分間プレーした。前半はミランに押される中、要所要所で本田やポーリ、相手右サイドバックのカラブリアとの1対1の守備にしっかりと対応。スキあらばタテ関係に位置するバルディーニと絡みながら相手陣内まで攻め込むシーンも作った。
長友の前半最大の見せ場だったのは、終了間際に右サイドバックのサントンからのクロスをキープしたニアンに激しく寄せてボールを奪取し、角度のないところからシュートを放った場面。こういう積極果敢なプレーはいい時の長友を象徴している。
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