新たな“王の資質を持つ男”の誕生はなるか?
一般的に、移籍金94億円、年俸19億円、背番号7ときたらどんな選手を想像するだろうか?
恐らくはリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール、クリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲス、セルヒオ・アグエロ、エデン・アザール…といったところ。いわば“王の資質”があるか否かだ。
つまり、年間20ゴール10アシスト以上が期待でき、1人で試合を変え、重要な試合で重要な活躍を見せてタイトルに導くことができる選手ということ。
スターリングは昨季が35試合で7ゴール8アシスト、一昨季が33試合で9ゴール7アシストだった。もちろん、18歳、19歳という年齢でシーズンをスタートしていることを考えれば、この数字は驚異的とも言える。
それでも、やはり未知数な選手。20歳のスターリングは現状、まだまだ1人の選手として形をなしていない段階。大活躍する試合もあれば消える試合もある。ウイングなのかセカンドトップなのかポジションも完璧には定まっていない。2ケタ得点もなければタイトルもない。
イングランドには、ホームグロウン・ルール(15歳から21歳の誕生日を迎えるまでの間に3シーズン以上、もしくは36ヶ月以上イングランドかウェールズのチームでプレーした選手を25人の登録選手のうち8人以上登録しなければならない)がある。
そのため、イングランド人選手の市場価格は適性を大きく超えて高騰していることも94億円という移籍金の要因とシティがスターリングを欲した理由の1つであるはず。
果たして、スターリングがシティにおいてコンパニ、ヤヤ・トゥーレ、ダビド・シルバ、アグエロと肩を並べる存在となるのか、あるいはスコット・シンクレアやジャック・ロドウェルのように忘れられた存在となるのか。
今後、大きな成長を遂げることができれば、新たな“王の資質を持つ男”の誕生となるが…。
【了】