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ジュニサカ 9年前

受験化するサッカー。伝統ある町クラブから見る小・中学生の理想像とは

text by 木之下潤 photo by junior soccer editorial staff

「文武両道」の本当の意味

受験化するサッカー。伝統ある町クラブから見る小・中学生の理想像とは
宮川淑人氏【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

――枚方FCは「文武両道」をうたわれています。学業の面で子どもにはどういう指導をされているのですか?

 何も特別なことはしていません。ホームページに記載があるのは、サッカー漬けにしたくないからです。うちも毎日練習をしているわけじゃないから、その時間を利用して塾に行くなら行って下さいと。むしろ、両方やりましょうよと思っています。

 そうすれば、ちゃんと勉強もやらなあかんと伝わるでしょう。そもそもサッカーも勉強も両立するのが前提やと言うてるんです。

 だから、すべてのコーチが学業についても子どもに指導しているとかは一切ない。コーチによっては通信簿を見せえ、と要求しているかもわからんけど、そこは子どもへの指導と同様にそのコーチなりのやり方で自由にやってもらってます。

 一歩間違ったらうちはサッカーのエリート教育をしているクラブだと勘違いされる。そうならんように書いているだけです。

――今回は「4種の理想」がテーマです。ジュニアユースから自分の進路を見つめる時期になります。そこには4種や3種での指導方針がかかわります。枚方FCのそれぞれの方針を教えて下さい。

 4種は、まずサッカーを好きになってもらうことから始めます。4年生ぐらいからしっかり技術を身につけさせるように指導する。うちはクラブの先輩が教えるからお兄ちゃんみたいなものやから。

 中学生になると、技術、戦術を使う場面が増えてくるから競技性が増す。だから、3種についての方針は少し曖昧で方向性を悩んでいるところです。競技性が増せば当然ながら選手にとっての自由度が減っていきますからね。

――3種で競技性が上がる分、4種で習得してほしいものもあると思います。

 ほんまに基本的なことですよ。止める・蹴る、顔を上げる。ただ、ここは強調しときたい。前に向かうこと。最近は、小学生にもきっちりしたパスサッカーをやらすでしょ。でも、パスをつなげつなぐほど判断は身につかない。サッカーの基本はボールを持ったらゴールに対して前進すること。その気持ちが大事。

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