FWとしてのプレーが望ましい岡崎
この高さに加えて守備への献身性とくさびのパスによるポストプレーでも貢献できるウジョアは、岡崎とは真逆のタイプといえるだけに相性は良い可能性が高い。
プレシーズンでしっかりと連係を深めることができれば、レスターが繰り出したロングボールを受けたウジョアがくさびのパスで岡崎につないで得点というシーンも観られるはずだ。
一方で、現有戦力で岡崎のライバルとなるのが昨冬に鳴り物入りで加入したクロアチア代表FWアンドレイ・クラマリッチだ。
しかし、クラマリッチは自らボールを持ってパスやドリブルで仕掛けるスタイルのため、昨シーズンのレスターにはフィットしきれず、後半戦のみながら13試合出場(6先発)で2得点に終わっている。
“守備の国”イタリア出身のラニエリ監督が同じく守備からの速攻スタイルを取り入れるなら、岡崎をチョイスする可能性は大きい。
そのほかにも昨季34試合に出場したジェイミー・バーディーもライバルとなるが、新加入選手となる岡崎の方が序列は上なはず。
また、獲得が噂されているQPRのチャーリー・オースティンは身長188cmの長身ストライカーだけに、レスターに加入すれば立場が危うくなるのはウジョアの方だろう。
ただ、ラニエリ監督が1トップを採用するとなると岡崎は右ウイングでの起用となる可能性もある。主にサイドで起用されていたシュトゥットガルト時代には苦しんだだけに、岡崎としてはやはりFWとして中央でのプレーが望ましい。
岡崎は屈強なプレミアのDF陣に対して自らの長所を発揮できれば活躍することは不可能ではないはず。一方で自らの長所を出し切るのは簡単なことではなく、無理に適応しようとスタイルを変えることになれば、香川真司の二の舞になりかねない。
何よりリーグ全体のレベルに関しては、ブンデスリーガを1段階上回るのがプレミアリーグ。これまで多くの日本人アタッカーが苦汁を舐めてきたイングランドの地で、岡崎慎司はスタンディングオベーションを受けることができるだろうか。
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