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香川真司 9年前

トップ下は香川。トゥヘルが試した4-4-2。ボーフムに敗戦も新たな方向性を示したドルトムント

text by 本田千尋 photo by Getty Images

クロップ時代にはなかった「メリハリ」

 12分にはギュンドアンが急ぎ過ぎて、シュメルツァーが追い付けず、ボールがラインを割ってしまうこともあった。

 しかしこうした「メリハリ」は、クロップが率いた昨季は見ることのなかったものだ。そして「引いて固めた相手を崩す」という昨季の課題は、ポカールの決勝でボルフスブルクに敗れたこともあり、今季に持ち越されている。

 香川を「楽しみ」と刺激したように、ボーフムを相手にトゥヘルが用いた4-4-2はBVBにとって新たな挑戦であり、持ち越された課題を解決するための道筋とも言える。

 その意味では、丸岡満が投入された60分から用いられた4-3-3も、その道筋の一つなのではないだろうか。

 カンプルを偽9番のような形でワントップに置く。69分にはカンプルのパスに、丸岡が裏に抜けてシュートを放った。決定機は相手GKがキャッチして防いだが、クロップが用いることはなかった4-3-3も、BVBの新たな可能性と言えるだろう。

 32分にショートカウンターを食らって最後はテラッツィーノに決められ、58分にはホークランドにエリアの外からミドルを打たれて失点を喫するなど、4-4-2は機能したとは言い難い。それは香川も「上手くは行かなかった」と認めるところである。可能性は、まだ可能性に留まっている。

 それでも試合後にトゥヘルはテレビ局『SPORT1』に対して「1つの結果が良い雰囲気を台無しにすることはない。我々は良い道のりに乗っている」と述べた。1-2という結果に終わったが、ボーフムとのテストマッチは、BVBの新しい方向性を示したと言えそうだ。

【了】

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