宮間が語る“文化としての定着”
残念ながら連覇の夢は断たれたが、帰国会見の席であらためて文化の定義を問われた宮間はこう答えた。
「Jリーグの選手は『男子サッカーの人気がなくなったらどうしよう』とは思っていないはずなので。そういう状態です」
――どうなれば文化として定着したと思えるのでしょうか。
「たとえば今日は女子サッカーの試合だから、女子のユニフォームを着た子どもたちがスタジアムへ向かっていく。そういう光景が普通に見られるようになったら、きっと文化と言えるんじゃないかと」
――そのためにも、勝ち続けていくしかないと。
「選手はそうするだけだと思います。あとは普段からの姿勢。ああいう女子サッカー選手になりたいと思われることが大事かと」
キャプテンのこうした言葉が、メッセージとなって伝わったのか。岩清水は「感謝。」と題したブログの後半で、今後への決意を綴っている。
消えない思いはそのままですが。
そのままでも前に進むことにしました。
また代表に選んでもらえるよう、がんばります。
またあのステージに立てるように。
『次はアメリカに勝つ』
この思いは忘れずに毎日がんばります。
チーム合流から2日後の7月12日。なでしこリーグが再開され、ベレーザは茨城・ひたちなか市総合運動公園陸上競技場でASエルフェン埼玉と対戦した。
年に一度の北関東での開催。1800人収容のメインスタンドだけが開放され、昨年の倍以上となる1503人が詰めかけた。キックオフ前には女子W杯に出場したDF有吉佐織、MF阪口夢穂、そして岩清水に地元の女子サッカー少女から花束が贈呈された。
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