SB陣に不満を抱くマンチーニ監督
14日、移籍市場で規定路線と思われていた一つの流れが崩れた。インテルへの移籍が濃厚と見られていたキエーボDFエルビン・ズカノビッチが、サンプドリアへ移籍することになったのだ。
サンプは交渉に後から参入。しかし300万ユーロ(約4億円)の移籍金にDF一人の所有権もつけるなど、インテルを上回る好条件を提示してキエーボからOKを引き出した。そもそも彼らがズカノビッチ獲得の攻勢を強めたのは、インテルに長友佑都ならびにマルコ・アンドレオッリの獲得オファーを提示したところ拒否されたからだ。
やれプレミアだ、ドイツだと長友に関しての移籍の噂は多いが、具体的な条件提示をしたとされるのはサンプドリアだけ。しかもそれは断られた。長友本人は「インテルに残りたい」とはっきり語っており、「噂の多発=移籍は確実」と単純に考えるべきではない。
ただ、所属元のインテルが他のサイドバックを欲して動いたことも事実だ。ダビデ・サントンにダニーロ・ダンブロージオ、さらにドドにジョナタン(シーズン後に契約満了)と層自体は厚かったが、7月に右SBの補強でバルセロナからマルティン・モントーヤを獲得。さらにはズカノビッチも欲しがっていた。果たしてインテルは、本当に長友を必要としているのだろうか?
まずロベルト・マンチーニ監督だが、長友に、いやもっともいえばインテルのサイドバックそのものに不満を覚えていた感がある。
現に昨シーズン後半、彼はCBのファン・ジェズスを左SBにコンバートもした。サントンが健在だったときでもだ。「ダビデはニューカッスルで長いことプレイしておらず、それがいきなり試合に出ることになったから疲労が蓄積したのだ」と語っていたが、今となってはそれが真実だったかどうか疑わしい。